STREET NIGHT AT OF SAILING~ROSE航海、そして未来へ

普段のブログはもちろんのこと、雑談や小説・詩(すべてオリジナル)を更新中。 但し、小説と詩は不定期更新になります。

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BD企画~コラボ小説その9

6:後篇の続き

 そして、ライブ当日。
午前中講義に参加した瑞穂はやや疲労が重なっていた。卒業制作の作業中、美玖の邪魔が入りあまり出来なかった。それでもライブだけは頑張ろうと思った。
「さて、行こうかな?そういや、昨日新堂さんからメールが来てたんだっけ?」
 メールの内容は『マネージャーから事情は聞いた。完成まで協力するので相談して欲しい』となっていた。つまり、桜庭から事情を話してくれたらしく春がこれまでのお礼を兼ねて手伝うことになった。
「ライブ終了したら聞いてみよう」
 携帯の時計を見ると午後15時を指していた。タクシーで現場に向かう。
「お、来た来た!!って大丈夫か?」
「あ、はい・・・ちょっと」
「今からミーティングを始めるから、頑張って」
 スタッフたちは本番前の軽い打ち合わせを行った。
「いいか、俺たちがここまで頑張って計画してメンバーに歌って貰う以上は応援したい。だから最後まで気を抜けないように見守るぞ!」
「瑞穂ちゃんも学業とライブの準備のかけもちで頑張ってくれたからな」
「そうよ、メンバーの体調管理や春の作曲するために部屋を提供したり・・・中々出来ないからね」
「い・いえ・・・いいものを作るのに環境づくりは必要ですから」
「よし!!ファンの子たちが入場するから案内、頼むぞ」
「OK!!」
「で、瑞穂ちゃんは控室で少し休んで」
「でも・・・」
「かなり疲れてるから後は俺たちに任せて」
「では、お言葉に甘えて」

 会場ではグッズの販売も大盛況。ファンたちがメンバーの帰国を歓迎した。
「お待たせいたしました。落ち着いて中へどうぞ」
 大きなアリーナにたくさんの客、中には家族で来ている人も。その中に春の家族がいた。
「お兄ちゃん、ここでライブするんだよね?」
「そうね、春もNYと東京の往復で忙しいのよ?念願のドームライブはその一つらしいから」
「え?」
「本当の目的は武道館らしいよ?」
「でも、大丈夫かな?一昨日まで自宅にいなかったし。」
「桜庭さんからの連絡があってね、前日まで大学生の自宅に一時避難って」
「まさか、あのお姉ちゃん?」
「違うわよ。上田さんって方のお宅なんですって、春が唯一信用できる学生らしいわ。」
「そうなんだ・・・てっきりあのお姉ちゃんかと」
「夏輝さん、相当悩んでたわね?でも、上田さんなら春のお嫁さんにピッタリかも?」
「だよね」
 照明が暗くなり、最初の曲が始まった。大型スクリーンにはメンバーの写真が映し出したらファンが騒いだ。その瞬間、スクリーンからメンバーが登場した。最初から何曲か歌った後、春がMCを務めた。
「NYから無事戻り、また皆に会えたこと・・・感謝したい。そして今回のライブに頑張ったスタッフや事務所の方、曲作りで行き詰ったとき、部屋を提供したある人に気持ちを込めてこの歌を歌います」
 ステージ袖では瑞穂と桜庭、そして所属事務所の社長が様子を見ていた。
「なんとか成功したな。」
「はい、一時は大変でしたがスタッフたちが遅くまで準備をしてましたので」
「上田君も御苦労だった。体は大丈夫か?」
「完全とはいいませんが、でも、大丈夫です」
 こうして2時間に及ぶドームライブは大成功となった。その足で今度は打ち上げとなった。社長の話からマネージャーの労いの言葉のあと乾杯となった。
「お疲れ!!」
「お疲れ様です、大成功ですね?」
「しばらくは休暇にはいるから今のうちに体を休めておけよ」
「そうね。瑞穂ちゃんは?」
「途中で帰ったよ。やはり疲れてるみたいだし春が自宅まで送るって」
「って大丈夫なんですか?本人に送らせて。ファンの子たちに見つかったら」
「それは平気だよ」
「夏輝さん、お疲れ様です」
「どうやらファンの子たちが相手が瑞穂ちゃんで安心したようだよ?」
「え?それって・・・」
「パンフレットを読んだみたいでね、3曲目のは半分が瑞穂ちゃんの作品なんだ。春がそのままレコーディングをしたのは彼女だから完成した詩だって。瑞穂ちゃん、パンフレットに誤解のないように書いたらしい。まあ~桜庭さんの助言もあったくらい」
「そうだったのか」
「今度は瑞穂ちゃんの卒業パーティー、企画しましょ。今度はメンバーも」
「いいね」
 その頃、春は瑞穂を自宅まで送るため車で移動していた。流石に疲労は出てるらしく打ち上げには参加しなかった。
「・・・」
「起きた?」
「あ・あれ・・・私・・・」
「今は車の中、自宅まで送る」
「済みません、折角の打ち上げがあるのに」
「いいんだ。ちょっと寄り道をするがいい?」
「はい」
 車はスタジオに向かっていた。春は一度車から降りるとスタジオの中に入っていた。
「どうしたんだろう・・・」
 5分後、スタジオから春が戻って来た。
「あの、何か忘れ物でも?」
「これを君に渡そうと思って」
 春から渡されたのは1枚のCD-ROM。瑞穂は改めて聞いてみた。
「これは・・・」
「俺が2年前に作った曲だが、詩は付けてない。これで卒業制作にして貰えたら」
「でも、大事なCDでは」
「君にはたくさん助けて貰った。今度は俺が君を助ける番だから・・・」
「新堂さん・・・頑張ってやってみます。完成したら聴いて貰えますか?」
「分かった、その時はマネージャーに話しておいて?」
「そうします」 
 車は自宅マンションに着いた。
「送っていただいて有難うございました。荷物はどうしますか?」
「出来たらそのままに」
「念のために一度片づけますね?」 
 車から降りると、マンションまで歩いた。部屋に入るとそのままベットに倒れこんだ。
「あれ?メール・・・」
 春からのメールを読んで胸が痛くなった。
「え?これって・・・」
『自宅からメールをしてる。今回のライブで皆から勇気を貰った、その中で君が学業とバイトと休まず来てくれたことは少なからず感謝しなければならない。でも、自宅まで送るとき君の寝顔を見たらそばにいたくなった・・・曲作りに行き詰まった時、君が書いた作品を見て書き直さずに臨んだ。先ほど渡したCDの中に自分の想いが綴っておいた。読んで欲しい、それが告白だから・・・瑞穂、もし良ければ付き合ってくれないか?一緒にいると曲が書けるような気がするから』
「もしかして・・・CDの中に?」
 CDケースから1枚の紙が出てきた。そこには曲についての説明が書かれていた。そして、一言『好きだ』の文字が。
「どうして・・・だって・・・アーティストと付き合うのは禁止だって言われたのに・・・」
 目からは涙が零れてくる。確かに芸能人との付き合いは学業に支障をきたすため出来ないとみている。
「明日、桜庭さんに相談してみよう。」
 翌日、電話で打ち明けられたと桜庭に相談したら
「別に禁止はしていないよ?上田さんならお似合いだと思うけど?」
「しかし、仕事に支障をきたしては・・・良くないかと」
「まあ~普通はありえないが、社長からも『彼女なら春の相手にはピッタリだな』って」
「公認・・・ってことでしょうか?」
「そういう事になる。マスコミには極秘になってるから大丈夫だ」
「・・・分かりました。」

 1カ月後、春に初の恋愛報道が週刊誌に記載された。
記者会見では瑞穂が一般の大学生のため出席せず春本人が会見に臨んだ。(大学側からNGとなっているため)
「新堂さん、今回のことで相手が学生となってますが」
「はい、今回の依頼でレコーディングの補助をしてました」
「大人しい方らしいですが?」
「その辺は私からご説明します。お相手の方のお名前は上田瑞穂さん、音大の4年生です。現在卒業に向けて就職活動中のため顔は出してません、一般の方です」
「相手からのコメントはないのですか?」
「それについては必ず出すとのことです」
 3日後、大学側からマスコミ宛てに今回の件についてコメントが寄せられた。文面には所属事務所公認となり、本人が卒業を控えているので取材はお断りしますのこと。出来れば静かに見守って欲しいと教授からとなっている。

 半年後、瑞穂たちは揃って大学を卒業。それぞれの道へと歩んだ。


THE END


やっと終わりました。予定よりかなり遅れましたけど、残りSPは次回に回しますがイケ学は明日にでも書きます。今日は朝から出かけてましたので日付も変わってしまいました。でも、最後まで書きます。



by:ROSE

追伸:遅ればせながら、5月5日は高山さんの誕生日でした。おめでとうございます。
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